【鈴鹿サンデーロードレース】Round3
「鈴鹿サンデーロードレース」は、MFJが発給するフレッシュマンライセンス~国際ライセンスを所有するライダーが、この「鈴鹿サンデーロードレース」でウデを磨き、技を競い合いながら、国内最高峰の全日本ロードレースへの昇格を目指しています。
「鈴鹿サンデーロードレース」は、鈴鹿サーキット・東コース/フルコースを使い年8戦戦う「全日本ロードレース選手権」さらには世界を目指すライダーの登竜門のイベントです。
この大会にスピードマスターの油脂類をご使用いただき参戦された「Team Kissy」の参戦報告です。
【リザルト】
■NAT-ST600 クラス(予選出走台数:44 台決勝出走台数:47 台)
塚原渓介選手
チーム:LSPEED SHOP FUSE Team Kissy
マシーン:HONDA 2021 CBR600RR
エンジンオイル:スピードマスター PRO BIKE 10W-40
ブレーキフルード:スピードマスター SUPER DOT5 ・1
総合1 位(予選Bgr 1 位) 決勝: 1 位
西口裕之選手
ガレージモトジョーキ&Team Kissy
総合13 位(予選Bgr 7 位) 決勝: 5 位
ライダーコメント
■ 塚原渓介選手昨年からロードレースを始めてTeam Kissy にてお世話になる事、デビューより5 戦目で初優勝をとることができました!
初戦から2戦目まで時間は少なかったですが、フルコースと西コースを走行出来る機会があり、主に自分自身のレベルアップとマシンのセットアップを目的に走行を行い、レースウィークに臨みました。【特スポ】雨
レースウィークは1 週間前から大雨の予報で荒れることが予想されており、ウェットでの予選の可能性も考慮し、無理をしない範囲で走行を行いました。
昨年以来の雨でしたが大きく感覚はズレていなかったため、体の位置や走行ライン、電子制御等を試すセッションとしました。
走行後、サンデーに来ていらっしゃったテクニカルアドバイザーの小澤さんの講習にてセットアップの相談をした所、前回のレースから進めてきた方向性があまり良くないとのアドバイスを受け、チームとも相談をして」大きくセットアップを変えて明日の予選に挑む事にします。【予選】ドライ
今回のレースもエントリーが40 台と多かったため2 グループに分けられ、自分はB グループでの走行となりました。
A グループでは序盤がハーフウェット、後半はほぼドライという難しいコンディション。中盤でドライタイヤに交換したライダーが予選後半でタイムアップをしていくような流れになりましたが、探りながらの走行だったようでタイムを上げられていないようでした。Bグループの予選。
いつも通り先頭からタイミングをずらし単独でアタックを行いました。
ほぼドライでしたが所々ウェットパッチは残っており、セットアップも変わっていた為アウトラップは状況を確認しながら慎重に走ります。
2 周目からアタックを始めましたが、予定よりコースインが遅れた事と、アウトラップを慎重に行ってしまった為に先にコースインしていた先頭集団が後ろから追いついてしまう格好となりました。引き離して単独アタックを行うつもりでしたが、真後ろの選手を引っ張ってしまう形となり予選後半までその選手がトップ、自分が2 位という状況。
車体セットに問題は無くアクセルも開けやすい方向になっていた為、前後のギャップを確認しながら走行を続けましたが、思うようにタイムアップ出来ずクリアラップが取れないまま周回を重ねてしまいました。最後のアタックでは途中まで悪くはないリズムだった為タイムアップは確実かと思っていましたが、二輪シケインからスプーンで2 台に大きく引っかかってしまい、ダメかと思いましたがとりあえず最後までアタックをした結、タイムを更新することができて、昨年3 戦目以来2 回目の予選PP を獲得できました。
【決勝】ドライ
自分の後ろにつく予選A グループの2 番手グリッドは、前回のレースで優勝したタイラプロモートの三上選手でした。フルコースの持ちタイムは自分より2 秒ほど速く、自分は予選で周回を重ねてタイヤを使ってしまったので厳しい展開が予想されました。
ウォームアップラップを終えグリッドに着き、スタート。
クラッチを繋ぐのが早すぎてフロントが浮き、大きく後退してしまいました。
6 番手程まで落ちましたが、1 コーナーでアウトから2 台をパスし4 番手に順位を戻しました。オープニングラップでは前の2 台のペースが上がっておらず、トップの三上選手が引き離しにかかっていたため、このままではダメだ思い、130R と最終シケインで前の2 台をパス。
トップと約1 秒差の2 位で1 周目をクリア。
まずはしっかり前に付いて行こうと決め、2 周目に自己ベストの2 分17 秒をマークするペースでしたが、三上選手も同じようなペースで走っておりその距離は縮まりません。
その後も同じペースで走行しようとしましたが、ブレーキングで頑張ってしまった結果、マシンの向きを上手く変えられず、その結果タイムも落ちてしまい徐々にギャップが広がる展開に。
中盤にその差は3~4 秒まで広がってしまった上、目標としていた優勝&2 分14 秒台からは大きくかけ離れた走りになっていました。
非常に悔しかったですが、この決勝中にその差を縮めるには現在の自分のスキルでは現実的では無いと考え、後半はリスクを避けてしっかりポイントを取る方向へ気持ちを切換えました。
迎えた最終ラップ、後ろとの差も大きく空いていたため焦らず走り切って2 位でチェッカーを受けるつもりでしたが、トップの三上選手が二輪シケインで転倒!これで意図せずトップに立ってしまい、そのままゴール。まさかの優勝という結果となりました。
中盤にトップに離されてしまった事や目標タイムからかけ離れた走りなど、チェッカーを受けた時は複雑な気持ちで、正直自分ではあまり嬉しくは無かったですが、チームの方々には初優勝ということもあり喜んで頂くことができました。
今回のレースでは予選でのアタックの仕方(一旦落ち着いてピットに戻る等)や、新型CBR でフルコースをしっかり走れて現状のタイムが分かった事で、主に自分自身の課題が見えたレースとなりました。
次のレースは7 月のフルコースです。
現状、6 月までの練習走行日は1 日しか無いですが、課題を具体的に見直す期間と捉えて準備をし、次のレースは目標タイムの達成と優勝をしますのでご声援の程よろしくお願い致します。【エンジンオイル】
昨年レースデビューした時からスピードマスター「PRO BIKE」 しかつかっていないので他社製品と比較することは出来ませんが、レース終盤でも熱ダレもなく、シフトフィーリングも変化ないので安心してレースを戦えています。また、ブレーキはリモートアジャスターを装着していないのですが、鈴鹿フルコースではレバーの入りも許容範囲内で使えています。
■ 西口裕之選手
– 5 月13 日特別スポーツ走行路面WET –
今回の予選コンディションを「雨は降らないものの路面は若干濡れている状態」と想定し、レース前の雨の練習走行時でスロットルを開けていく高速コーナーでハンドルが左右に大きく振れる現象が出ていた為、原因を探るべく走行しました。
フロントが高い感覚が有ったので、リヤ車高を上げたり、フロントの圧、伸の減衰を抜いたりしフロントを下げる方向に振り、若干改善されたものの根本的には解消されませんでした。
走行後、リヤサスのガス圧が低いのではと思いチェックしたところ、ガス圧不足が原因と判明。
バトルファクトリーに持ち込み適正値に戻して頂き、翌日の予選に向け変化させた部分の調整を行い本日の予定は終わりました。
走行序盤のタイムは2 分40 秒でしたが、途中セットを変えた状態で36 秒まで楽に上がったので、コーナー中のハンドルの左右の振れが無ければもっとタイムは上がるはず。
またこの現象はDRY でも影響していたと思われます。– 5 月14 日予選路面ほぼDRY –
予選はAGr、BGr に分かれ行われました。AGr は路面がまだ少し濡れている状態で行われましたが徐々に路面が乾いていった為、多くのライダーが途中でレインタイヤからドライタイヤに変更していました。
自分は最初からドライタイヤを使用してBGr の予選に挑みました。
ひとまずグループ3、4 番手位を目標としていましたが、前日に行ったサスセットの変化が思ったより大きく、コーナーの侵入時の感覚のズレがあり思うようにタイムを上げる事が出来ませんでした。
サインボードで順位を出して貰っていなかった為、一度ピットに戻ろうとしましたがその周でチェッカーが振られてしまい予選は終了。
足回りの変化の影響も有りましたが予選終盤ではマシンの感覚も掴め、良い方向になっていましたので決勝に向けて悪い内容ではないと感じました。
決勝はスタートをミスしなければ間違いなく順位を上げられる自信を持ちました。– 5 月14 日決勝路面DRY –
良くもなく悪くもなくのスタートでしたが、2 周目に1 コーナーの速度をあまり落とさず入ろうとトライしましたが、2 コーナーのアプローチがうまくいかずにオーバーラン。
タイムロスしてしまい前方車両とのギャップが少し開いてしまいました。
遅れた分を取り戻さないと行けないと思い今のポジションも気にしつつ詰めて行きました。
徐々にですが1 台、1 台抜いていけましたがオーバーランの損失が大きかった為、もう1 台が抜けずにゴールとなりました。
途中に上位の1 台が転倒と最終ラップにトップの転倒が有り最終的には5 位入賞とはなりましたが内容的には良い結果とは思いませんでした。次戦以降、前車の転倒に因らず6位圏内を走れるよう、マシンの状態・セッティングを煮詰め、持ちタイムを上げられるようにして行きたいと思います。
■ 岸田尊陽チーム監督
前回のサンデーから約1カ月での2戦目。
チームとしてはライダーが半減した状態で臨んだレースでしたが、昨年~今年の1戦目と比べ所属ライダーが減った事により、残留したライダーにとっては密度の濃い環境になった。
その影響もあってか、チームとしてとても良いリザルトを得てサーキットを後にすることが出来た。
塚原は今シーズン最初の目標設定で「5月のサンデー時に14秒台をマーク」という目標を立てていたのだが、テスト時の天候やその他の状況を考慮するに、その目標を今回のレースでクリアする事は難しいだろうと感じていた。
予想通り予選のコンディションは不安定で、直前までタイヤチョイスに悩む状況となり、先だって行われたA グループの予選では、レインタイヤでスタートし、途中ドライタイヤに交換するライダーが多数見られた。
B グループではA グループの状況からドライタイヤで出走する選手がほとんどだったが、所々ウェットパッチが残っている中、全体的なペースはあまり上がっていない様子だった。ライダーにはSHOEI 様からサポートして頂いているピンロック+マスクで曇り止め対策は万全!
塚原には「予選でのアタックは2Lap×2回、変に他車と絡んだ場合はアタックを即刻中止してタイヤを無駄に使わない事。」と言い含めてコースインさせたが、コースへ送り出すタイミングが少々遅かったこともあり、先にコースインしたライダーを引っ張る展開となってしまった。
更に思うようなタイムを刻めなかったこともあり、予定よりも多くのアタックを行ってしまいグループトップ&総合ポールポジションを取ることが出来たが、A グループを走ったライバルに比べてタイヤを消耗する結果となった。西口は前日にリアサスのトラブルを解消(?)したこともあり、セットも含めてチェックしながらのアタックとなったようで、こちらは思うようにタイムアップ出来ずにクラス7位&総合13 位となってしまった。
決勝はコンディションも回復し、各ライダーの実力が順当に発揮されるだろうと予測したが、週末を天候に翻弄されたせいか、決勝のペースは全体的に若干遅めとなったようだ。
塚原はスタートをミスし、1コーナーを4位で通過、その後1周目に2台を交わし2位に浮上。
しかしトップの#41 三上選手のペースが速く、4ラップ続けて17 秒台で走行する三上選手に対し、塚原は2ラップ目に自己ベストとなる17 秒6 をマークするもその後は18 秒半ばあたりでの走行となってしまい、じりじりと離されていく展開に。
そのまま2位でゴールかと思われた最終ラップにトップを走る三上選手がまさかの転倒。
トップに上がった塚原は後続との差もあり、危なげなく走り切って初優勝を達成!
西口はスタートもまずまずで1周目を10 位で通過。
その後7 位までジリジリと順位を上げ8ラップ目に4位を走っていた選手が転倒し6位。
最終ラップの三上選手の転倒で5位に上がりそのままフィニッシュ。
結果だけを見ればチームとして優勝&5位と、ダブル入賞を果たした結果とても良い週末になりましたが、結果としては良かったものの両ライダー共に他車の転倒により得られたリザルトということもあり、それぞれ純粋に喜べない様子でした。
しかしチャンスをモノに出来る位置を走っていたのはライダーの実力なので素直にチームとしては喜びたいと思います。次戦以降に関しては、今回もそれぞれの目標である位置には実力的に若干届かない状態なのは明らかとなったので、それぞれのライダーの持ちタイムを上げて行く必要があると考えています。
両者共に最低1~1.5 秒のベストタイム更新が望まれるので、次回の7月9 ・10 日開催までに練習走行日の設定は少ない中ですが、効率よく目標を達成出来るように、チームとしてもサポートして行きたいと思っています。