バイクメンテナス オイル交換 カワサキ ゼファー1100RS編
いよいよ秋を迎え、ライダーにとって、ツーリングやスポーツ走行等、最高の時期となってまいりました。安全で楽しいオートバイライフを過ごすにはメンテナンスは欠かせません。
そこで今回は、KAWASAKI ZEPHYR 1100RS のオイル交換をご紹介します。
撮影協力:ライコランド新横浜店
エンジンオイル交換はオートバイメンテナンスの基本中の基本です。
エンジンオイルは劣化しますので、定期的に交換することが、エンジンを最適な状態で長く維持する為に不可欠になります。
オートバイのエンジンオイルはエンジンとミッションの潤滑を兼ねている車種が多く、また車と比較し高回転ハイパワーな車種が多い為、過酷な環境下ですので、定期的な交換をお勧めします。
こちらのゼファー1100RSですが、15年以上前の車両ながら、細部まで非常に綺麗で、オーナー様の愛車に対しての愛情を感じます。
STEP.1 準備
まずは、エンジンオイルを変える為の準備です。
スタンドを掛け、保安の為にフロントブレーキにゴムバンドで留めます。
暖機運転を数分し、エンジンオイルを柔らかくします。暖気することでオイルを抜きやすくなります。
※走行直後や暖気を長くすると、エンジン、オイルが熱くなりすぎて、火傷の危険が出てきますので軽い暖気で問題ありません。また、暖気せずにオイルを抜くのもオイル交換自体には問題ありません。
STEP.2 古いオイルを抜く
エンジンオイルの入れ口を若干緩め、エンジン下部にある”ドレンボルト”をラチェットレンチで緩めます。ある程度緩んだら、最後は手で回しドレンボルトを外します。
ゼファー1100はドレンボルトが下向きに1つと横向きに1つ付いています。
ドレンボルトを外すと”オイルパン”から古いオイルが出てきます。
エンジン、マフラーが熱い時は、火傷には十分注意しながらの作業となります。排出されるエンジンオイルも熱いので、こちらも注意が必要です。
また、ドレンボルトのネジ山を舐めない様、慎重に作業します。
STEP.3 ドレンボルトを締める
エンジンオイルを抜いてる間に、ドレンボルトの確認と清掃を行います。
エンジンオイルが抜けきったら、新品のドレンパッキンをはめドレンボルトを締めます。
ドレンボルトを締める際には、メーカー指定の規定トルクに注意します。締めすぎるとネジ山を切ってしまったり、舐めてしまう可能性があります。また、締めが緩いと走行中にドレンボルトが緩んでしまい、オイルが抜けてしまいますので、慎重な作業です。
ドレンボルトを締め終わったら、ドレンボルトの周りを綺麗に清掃します。
STEP.4 新しいエンジンオイルを入れる。
今回、ゼファー1100RSに使用したエンジンオイルは、スピードマスターPRO BIKE SAE15W-50MAです。
ベースオイルに特殊高粘度エステルを使用した耐熱性および耐久性に特化したハイエンドモデル100%化学合成油。MA規格適合で、湿式クラッチの滑りを最大限抑制しトルク伝達を改善、パワーアップを体感します。完全ノンポリマー処方でせん断による粘度低下が少ないため、新油に近いフィーリングを長時間維持します。
レーシングユースや常に油温の高いエンジンにオススメのエンジンオイルです。
エンジンオイルをエンジンオイル入れ口から入れていきます。
ゼファー1100のオイル規定量は、オイル交換時3.8L ,フィルタ交換時4.1ですが、オイル窓を確認しながら、L(ロー)ラインとH(ハイ)ラインの間にオイルレベルが行く様に入れていきます。
STEP.5 オイル量の確認
エンジンを掛けます。
エンジンを掛けると、オイルパンに溜まったエンジンオイルがエンジン内部に行きわたり、オイル窓のオイルレベルが下がってきます。
下がった分、エンジンオイルを継ぎ足し、HラインとLラインの間にオイルレベルが行く様にします。
STEP.6 ダブルチェック
エンジンオイルの入れ口のふたを締め、周りを清掃します。
全ての工程が終了した後に、別のスタッフが細部の確認、トルク規定値の確認を行います。
【注意事項】
作業自体は、決して難しい作業では無いものの、ドレンの締めすぎにより、ドレンパッキンの破損からのオイル漏れや、ドレンボルトを舐めてしまったり等のトラブルになることもございます。逆にドレンの締めが緩いとドレン自体が外れることもございます。
エンジンオイルの交換作業は知識、技術をお持ちの専門店での交換を推奨します。
オートバイにとってエンジンは人間に例えると心臓です。そこを流れるエンジンオイルはまさに血液のようなものです。エンジンが本来のパフォーマンスを発揮するためには、エンジンオイルの性能に負うところが非常に大きいです。
エンジンオイルはエンジン内部パーツを潤滑し、磨耗を防ぐことはもちろんの事、爆発力を高める密封効果や、冷却、清浄、防錆など様々な役割を担っています。
スピードマスターの高性能エンジンオイルはこれらの要求を高いレベルで満たす事で、エンジンの耐久性を高め、本来のエンジン性能を引き出します。渋滞路で熱ダレのしにくさ、サーキット走行のような過酷な条件下であればコンマ1秒のラップタイムやエンジン寿命などにその違いが表れてきます。
これがスピードマスターのエンジンオイルが”チューニングパーツ”と言われる所以です。