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SUZUKA SUNDAY ROADRACE2022 Team Kissy 参戦報告

2022 鈴鹿サンデーロードレース

スクリーンショット 2022-05-13 9.47.13「鈴鹿サンデーロードレース」は、MFJが発給するフレッシュマンライセンス~国際ライセンスを所有するライダーが、この「鈴鹿サンデーロードレース」でウデを磨き、技を競い合いながら、国内最高峰の全日本ロードレースへの昇格を目指しています。
「鈴鹿サンデーロードレース」は、「全日本ロードレース選手権」さらには世界を目指すライダーの登竜門のイベントです。

この大会にスピードマスターの油脂類をご使用いただき参戦された「Team Kissy」の参戦報告です。

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【鈴鹿サンデーロードレース】2 月10 日Round2 東コース

※※※※リザルト※※※※

■NAT-ST600 クラス(予選出走台数:36 台決勝出走台数:34 台)

塚原渓介 選手(SPEED SHOP FUSE Team Kissy) 総合4 位(予選Agr 2 位) 決勝: 2 位
西口裕之 選手(ガレージモトジョーキ&Team Kissy) 総合10 位(予選Agr 6 位) 決勝: 7 位
森井孝輝 選手(bahati Team Kissy) 総合22 位(予選Agr 13 位) 決勝: 25 位

■ 塚原渓介 選手

予選:4 位 決勝:2 位スクリーンショット 2022-05-13 9.46.17

昨年の7 月以来となったレースは2 位という結果に終わりました。
今年はR6 から新型のCBR に乗り換えをしましたが、車両が組みあがったのが3 月だったため、短い時間の中でレースに向けて組み立てていく必要がありました。
オフシーズンは主にダートトレーニングを行い、鈴鹿を走る機会も少なかったため、家では仕事終わり等の時間でイメージトレーニングに励んでいました。
久しぶりの走行となったシェイクダウンは不安もありましたが、冬場のトレーニングとバイクのおかげかフィーリングは良く、慣らし後2 日目の東コースでは54.6 秒を出し昨年のベストタイムをあっさり更新できました。
しかし昨年後半からレースのレベルが上がっていたため、レース前の走行で53 秒に入れることを目標にしました。

【金曜日練習走行】
午前中はセットアップを行い、午後の走行から新品タイヤでのアタックを行いましたが、思うようにタイムが出ずベストタイムは更新できませんでした。

【土曜日特スポ】
主にセットアップを目的に走行を行いましたが、思うようなフィーリングを得られず、タイムも出ないまま走行が終わってしまいました。
予選では絶対に53 秒に入れたかったので、昨年までは持っていなかったロガーとオンボード動画を活用して、改善点を探りました。
岸田監督、長山さんとも相談をし、予選では先週のセットアップに戻してアタックする事にしました。

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【日曜日予選】
路面、気温ともに暖かく良いコンディションでの予選になりました。
ST600 は台数が多いため予選はA,B グループに分けられ、自分はB グループでの走行でした。
先のA グループでは2 台が53 秒台に入れており、予想していた通り昨年後半のレベルに近い事が分かりました。
現時点でのベストは先週の54.6 秒だったため、53 秒台に入れるためには思い切って走りきる必要がありました。
B グループの予選が始まり、いつも通り前との間隔を開けて単独でアタックを始めました。
1 周目からしっかりアタックしていこうと決めていましたが、なぜか1 周目が55.0 秒でした。
感覚がズレていると感じたので2 周目から補正をして54.2 秒、54.0 秒とタイムアップをしていきました。
一旦ピットに入り順位を確認したところ、全体の5番手だったためもう一度最後のアタックに入りました。
各コーナーで少しずつボトムスピードを上げる感覚で走りましたが、5 コーナーで大きくチャタリングが出てラインを崩してしまいました。
ダメかと思いましたが、諦めずアタックをした結果、53.9 秒に入れることはできましたが予選は4 番手となってしまいました。

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【決勝12 周】
監督からのアドバイスもあり、スタート直後の1,2 コーナーでチャンスを掴むために、ウォームアップラップでブレーキングポイントを探りグリッドにつきました。
スタートは3 番手の三上選手が出遅れ1 個順位を上げましたが、前の2 台につられて同じようにブレーキングをしてしまったため、再度三上選手にアウトからパスをされ3 コーナーでは4 番手に戻ってしまいました。
序盤で順位を上げられなかったのは残念でしたが、レース前半はしっかり前の選手に付いていきチャンスを伺おうと決めました。
数周後ろに付いて走っていたので、レース後半から前2 人のS 字のペースが崩れてきている事が分かりました。
S 字のペースを少し上げて最終コーナーで後ろに付き、バイクも縦がよく走っていたので、スリップで右後ろまで近づく事が出来ました。
前の周で相手のブレーキングポイントも確認していたので、いけると信じてブレーキングを遅らせてイン側からパスをし、8 周目に3 番手に順位を上げました。
同じ作戦で2 番手の選手もパスしようとしましたが、最終の立ち上がりがうまくいったためストレートでパスする事が出来、10 周目に2 番手に浮上しました。
トップの選手にも徐々に近づいてはいましたが、レースも残りが少なかったためそのまま2 番手でチェッカーを受けました。
勝てなかった事は悔しいですが、短い時間の中で調整をしていき2 番手を獲得出来たので、今年初めのレースとしては良いスタートを切れたのではないかと思っています。
今年の2 月にバイクが納車され久しぶりの走行で多少不安もあった中、バイクや環境を整えるにあたって動いて頂いたチームやショップの方々には感謝をしたいです。
次のレースは5 月のフルコースです。
走れる時間は少ないですが、その中で出来ることをしっかり行い次こそは1 位を勝ち取ります。

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■ 森井孝輝 選手

昨年の鈴鹿サンデー最終戦前の練習走行の転倒で両足骨折してしまいましたが、車両の修復も済み、身体も走行には問題ないレベルに回復することが出来ました。
今シーズン初戦となる今回のレースは予選通過、そして決勝ではポイント圏内を目標に設定し参戦しました。
金曜日の練習走行では、マシン修復後のテスト走行を終えてから初の東コース走行となりましたが、感覚がいまいち戻らず、自己ベストより約2秒落ちのタイムしか出せませんでした。
土曜日の特別スポーツ走行では、岸田監督のアドバイス等を取り入れつつフレッシュタイヤで走行し、ベストタイムを更新出来たことで、良い感覚を持ち明日の本番に挑みます。

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日曜日の予選では、自己ベストタイムは更新したものの、目標としていたタイムをマークすることが出来ず、不本意ながら22 番グリッドスタートとなってしまいました。
決勝レース前に、岸田監督から「東はスタートが命!」とアドバイスを頂いており凄く集中してスタートしたところ、悪くないスタートが切れたことでグリッドより前で1コーナーに入ることが出来ました。
しかし2周目、ストレートで並んだライダーに「負けるか!」という思いで奥まで突っ込んだところ、今までに経験したことのない挙動が出て曲がり切れず、コースアウトして大きく順位を落としてしまいました。

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その後は後方のグループと絡む展開のなか思うようにオーバーテイク出来ず、結果自分のライディングが出来ないまま25 位でチェッカーを受る事となってしまいました。
今回は自己ベストを更新しての予選通過は果たせたものの、初めて決勝レース完走は出来ましたがポイント圏内と言う目標は達成できず、悔いが残るレースとなってしまいました。

■ 岸田尊陽 監督

今回はチームとして2年目となる初戦ということで、3月22日~23日に事前テストを行った。監督である岸田もこのテストで新型CBR600RR に試乗、マシンの素性の確認を行いライダーのコメントとの擦り合わせが出来るようになった。
塚原は新型マシン(’22CBR600RR)のシェイクダウンからマシンに対してのマッチングも良く、走行毎にタイムを順調に上げていた。
本人も今シーズンは全戦優勝との目標を掲げモチベーションを高く保っており、テストからレースウィークに掛けてメカニックのスピードショップヒューズ長山氏と共にマシンのセットも徐々に進んでいた。
西口は今年より全日本でAstemo のメカニックをされている川瀬氏によるサポートを受け、昨年よりライダーに集中出来る環境を整え、さらにチーム契約した寺岡氏の加入も併せ今シーズンのチーム体制としては心強い状態を構築することが出来た。

森井は昨年負った怪我(足の骨折)は完治はしていないようだがライディングに支障は無く、前日練習から感覚を取り戻すべく車両のチェックを終えた後は精力的に走行していた。
今回のサンデー開幕戦にあたり、監督の自分としてのライダーに対する目標設定は
塚原・・・予選タイム0’53.500(NAT-ST600 のレコードブレイク)、決勝は優勝。
西口・・・予選タイム0’54.500 以上(自己ベスト) 、決勝はスタートミス無く6位以内入賞。
森井・・・予選タイム0’55.500 以上(自己ベスト)、決勝はポイント圏内(15 位以内)。というものである。

・東コースはタイムが拮抗しており、コンマ数秒の違いで景色が変わる。
・パッシングポイントも限られる為、スタート直後の1~2コーナーの位置取りが重要になる。
ということをライダーに周知し、レースウィークに入った。
今回より各ライダーの使用アイテムがヘルメット・ステップ等はチームサポートを頂いているメーカー様の製品を使用することになり(オイルは西口=NUTEC で違いがある・・・お店の商売上の都合)、カラーリングも2台は同じカラーリングに揃ったことで外部から見てチームの体裁は整ったように感じる。
レースウィークに入り、金曜日のスポーツ走行からチーム員の走行は始まったが、3選手共に思うようなタイムはマーク出来ず。
自分は毎走行各ライダーの走りをS 字でチェックし、本人のコメント、ロガーデータ等と突き合わせを行い修正ポイントの確認、その後の走行時間を有意義に使えるようポイントを絞って対処していくように指導した。
前日の特別スポーツ走行では各選手によりプログラムが違ったが、森井選手は自己ベストを更新。
やっと怪我をする前の感覚に近づいてきたようだが、再びリスクの高そうなライディングに戻っている面も否めない。
まずは明日に向けて気分よくタイムを出す事が重要なのでその部分の指摘はせず明日に向けてアドバイス。
塚原は本人が研究熱心なタイプなので、本人と長山氏に任せ、西口も川瀬氏と上手くやっているようなのでそのまま進めて貰った。
今回も出走が36 台の為、予選はA ・B グループに別れており、AGr に西口&森井、Bgr に塚原が出走。
東コースは他車と絡み易く、絡んだ周回でタイムアップする事は難しいので
・コースインのタイミング
・クリアで2LAP のアタック
・絡んだらその周は捨てて無駄にタイヤを使わずクリアを作る
とのアドバイスを各選手に伝える。
まずはAgrだが、両者共に予選序盤でタイムが出せず、西口は計測5 周目、森井は4 周目でベストタイムをマーク。
しかし両者共に予選時間内をキッチリ走り切ってしまい、予選前のアドバイスは実行されず、西口はグループ6 番手、森井はグループ13 番手であった。
続くBgr の予選での塚原はクリアでの2Lap アタックを2 回慣行し、自己ベストは更新するものの、目標タイムに届かなかった為一度ピットイン。
その後のアタックでベストタイムを更新し、53 秒台に突入したグループ2番手で予選を終えた。
総合結果は予選トップは磐田レーシングファミリーの高居選手で、タイムは53.846。
塚原は53.933 で4 番手(53.500 ならPP を獲得)
西口は55.059 で10 番手(54.500 なら6 番手)
森井は55.928 で22 番手(55.500 なら15 番手)
と、私の設定していた目標よりコンマ4~5 秒遅いタイムとなってしまった。
目標タイムをクリアしていればそれぞれの目標順位に近い位置になっていたので、個々に於ける目標設定は今回のレースに於いては概ね正確だったようだ。
決勝はスタート直後の1~2 コーナーでの頑張りが後々効いてくるので、スタートに集中する事!とアドバイス。
塚原は悪くないスタートだったが2コーナーをコンサバに行ってしまい、4番手で序盤を過ごした。
しかし、最終コーナーの立ち上がりが上手くストレートも速い状態だったので、後半に前車のペースダウンを落ち着いて捌き、レース中盤以降で2台をパスし2 位でゴール。
スタート直後の1~2 コーナーで1、2 台交わしていたら優勝も有り得たかと思うと残念ではあるが、東コースのレース、NAT とはいえトップグループで2台を交わしての表彰台獲得は今シーズン最初のレースとしては満足の行く内容だった。
西口は悪くないスタートの後、地道に順位を上げ7 位でゴール。
昨年のスタートの悪さは改善出来たようだが、次の課題としてはスタートしてからすぐにベスト付近で走れるようにしていく必要がある。
森井はスタート自体は悪くなかったものの、2周目1コーナーでコースアウト。
その後周りのペースにより自分の走りが出来ない感じで、自己ベストよりもかなり遅いタイムで周回することとなり、思うように順位を戻すことが出来ず25 位でゴール。
600 でのレース2 戦目(デビュー戦は予選落ち)、怪我を経ての初の決勝レースということで、これから順調に場数を踏めばポイント圏内はすぐに見えてくるだろうと思う。
3 選手それぞれに悲喜こもごもではあったが、クラッシュも無く無事に今シーズン初戦を終えた事は非常に喜ばしい。
特に塚原は幸先の良いスタートを切れたことで残りのシーズンが楽しみである。
自分のコミュニティでライダーにスキルアップを図れる状態を早急に構築したいと考えており、ライダーの目標達成に向けてチームとして今後も出来るだけのサポートを行って行きたいと考えています。

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